
フィリピン料理って何を準備すればいいのだろう?
それは、既製品の混合調味料です!
私は調理師ですのですので美味しいスープが作れます。
しかし、既製品のエキス、化学調味料、油脂、ゼラチンとかを混ぜ混ぜしても
すぐに美味しく作れますし、大衆向けにはその方が商売向きだといつも思います。
ゼラチンとか書いたが、それも高価なので普通は加えないですし、普通は用途別に
メーカーが混合しているのでそのまま使います。
真面目に作るとしても、日本の出汁は精進出汁も含めて1日で作れるので、
フランス料理のように骨を焼いたり、野菜をいためたりと手間と
時間がかかることは少ない。
しかし、ここフィリピン、フィリピン料理では驚くほどに、
出汁に対しての考えがない、色々と他の国のシェフと働いたがフィリピンは
驚くほど既製品の調味料に頼る仕事だ。
中華料理もスープにはうるさい国だが、フィリピン料理が大きな影響を中華料理から
受けている割には、まともなスープがフィリピンにはない。鶏肉でも豚肉でも骨付きで
調理してしまうので骨が残らない事や、冷蔵庫すら持たない家庭がいまだに多い、
確かに大きめの冷凍庫と冷蔵庫とエアコンを使えば給料の3割は吹き飛ぶ計算になる
そう考えると恐ろしく高い電気代になるのか、給料が安すぎる。
料理をするときに、コクがあるとか言うが、真面目にスープ作ると骨の周りの筋や
関節部のゼラチンがスープに溶け出してゼラチンがつなぎになり脂をスープに
乳化させる。乳化するだけの対流を鍋の中で起すだけの火力が必要で
沸かし続ければ香りは飛ぶ、日本で当たりまえに食べる
魚介とんこつラーメンなどは香りの魚介は後で加える必要があり
美味しい状態の維持は難しい。
そこで登場するのが核酸=シーズニングソースとグルタミン酸=味の素が不可欠で
そこに固形のエキスが加わり、フィリピン独特の調理前に炒め作った動物性油脂
大量に加わり料理が仕上がる、だから脂とソースは常に分離しているので
食べ残しの皿を見ると日本人は拒絶してしまう。
しかしカレーライスとかも乳化しているだけで食べる脂の量は
多くフィリピン料理と大きな差はない。マヨネースはタマゴの成分で油を乳化、
ラーメンはゼラチンと見えないだけで結構食べると思う。
日本食は、油を取り除くことが作業で重要で、油抜きという作業が多い。
しかし、豚肉などの下茹では当然理解できるが、自家製のきれいな油で揚げた
油あげを油抜きと呼んで熱湯をくぐらせ油を抜く。
例えば切干大根だと切干大根を油でいためる、そこに油抜きした油あげを
加えるならば油抜きの作業の必要はない。
日本の場合は伝統という名のもとに非合理的な作業が残りすぎており、
油揚げの鮮度が悪く油の酸化臭があるから油抜きをしなさい、
今日の油揚げは作り立てであり必要ないという指導がなく時間がかかる。
料理人というのは変態が多い、普通の感覚だと一日12時間労働とか、
おかしいので瞬間でやめるが、私の場合は、その異常さが理解できない
頭だったために続いた。
その後の商売で瞬間だけ儲かったので、それが頭に焼き付き、
また継続….そして気が付いた時には他の仕事に就くこともできない
年齢になった。
人それぞれだが、大体は変わった人が多く気難しい。
新卒で入社して5年もすれば、本人は気づかいないが、もう変態になっており
その流れが繰り返される。
最近の論議で、寿司屋の修業は非合理的であると話題を呼んだが
本当に飯炊き3年合わせ5年、握り一生の言葉通り、調理場だけで飯を3年間、
黙々と炊いていたら確かにアホだと思うが実際はそうではないと思う。
見ているというのが3年間の修業で一連の流れを動画で見ているわけだから
とんでもない情報量だと思う、問題は修業する人で
指導者が行う作業の部位ごとの切り方、厚さ、飾り包丁の入れ方。
会計の処理法、請求書扱いかカードか当然価格は変わる。
仕入れ、準備、営業、サービス技術、経営の観察が三年であると思う。
私はホテルの勤務をしているので、企業ごとに研修やプロモーションの持ち回りで
系列店や他の国の同じブランドに送られるか、他の国のシェフを招聘して
私が代わりに日本のプロモーションをやりに他の国に回されるとかがある。
研修の場合は、とにかく見ていてくださいが原則。
お客様の邪魔にならないように注意してくださいと言われるだけで放置される。
基本は昼休みに使用機材の説明と備品類、ソース類のレシピと調理の流れと型だけを
頂き基本は見ているだけ。
寿司屋の大将は経営者が多い。彼らはボランティア活動で店をやるわけではなく
給料を払っている、簡単に教えてお世話になりました辞めますが、当たり前の日本で
なぜ、全部教えるのか飯炊き3年は大将に対する対価で、
従業員の不満が、寿司作りの作業だけに焦点を合わせているのが問題でだと思う。
握りという作業自体は何も学校に通う事もなくYouTubeに、本手返しだろうが
一手だろうが、こて返しだろうが揃っている。
私が海外で外人に教えると、握りだけであれば濡れた紙タオルで2日と
実際の材料の3日。巻きずしでも紙タオルでサイズはまさに海苔サイズ、
その指導を導入研修期間で終了させる。
価値があるのは大将の動きの観察である。値札の無い寿司屋、無駄のない動き、
裏方の事務作業や顧客管理。働く就業員の頭がいいタイプの従業員は
顧客の名前をグーグルカレンダーに流していていたり
メールの検索を使ったりもする。
予約もリマインダーをかけている、即、顧客を名前で呼べるのは
頭がいいからではなく考え方からくる毎日の行動で、そのタイプは履歴書に
書ける期間だけ籍を置き海外就労への足場にしているので、
頼ると逆に自分がハマるので一人に管理業務を集中させない。
海外だと、つい言語で不自由があるのである特定の人物に頼りやすい、
予約や発注という業務は、管理者がグループチャットを作り
管理者ののみで運営する。
一人の管理者だけで運営するとある日突然、パソコンデーターごと消える。
できるやつは文句を言わない、淡々と将来だけを見ている。
今日は大幅にお題から外れた内容で終了です。
まとめとしてフィリピンでは肉が骨ごと調理される、
冷蔵冷凍設備が買えない等の金銭的な問題から、美味しいスープが
保存できず、そのため既成の配合調味料が主流の調理になった。
そんな感じです。