おいしい仕組み(52)潮汁とフィリピン人の仕事への繊細さ

潮汁 おいしい仕組み

日本では潮汁とか船場汁とかは

高級料理店で提供されたりする、

それをフィリピンでやると

お客さんは怒る。

これ骨だけでしょ!

あら汁、日本料理的に言うと潮汁(うしおじる)となります。
本当の潮汁は魚のあらに塩をまんべんなく回してから、お酒と水と昆布で
にごらないように弱火で、沸騰しないように塩と魚のダシだけで作ります。

大量の魚のあらがあればいいのですが、家庭ではカツオダシの
中に魚のあらを入れて作るほうが簡単です。

鯖の骨の潮汁の場合は船場汁と少し変わった名前になりますが
潮汁に使う魚が平目でも鯛でも特に関係ありませんが、
白身魚のあらのほうが上品な味に仕上がると私は思います。

日本の魚屋さんで出る内臓や骨などのごみは、産廃扱いで処分料金が
発生しているが、フィリピンでは内蔵とウロコ以外はすべてお客さんが
買っていくので日本のように、あらだけで買う事はできない。

しかし日本でも家庭で魚のあらを割ったりすることは、家庭の道具では
難しく、自分で処理することは考えないほうが無難です、
小さく分割するのも、頭を半分に梨割りにするのも魚屋さんに頼めば一瞬で、
処理してくれる。

フィリピンの魚でも日本の魚でも、透明な臭みの無いスープが作りたければ
材料に塩を十分に回して、熱湯で材料の表面だけを処理する霜降りを行い、
流水で十分に汚れを洗い流しておく。

そこに材料の重量の3倍の水と材料の30%の酒に0.5%の昆布で沸騰しているが
大きく対流していない状態で3時間程度煮込んでいく、ただし昆布は沸騰時に
取り出す、水は減るが継ぎ足すことはしないで、塩分も魚から出る塩分で
不足があれば少量のPWを最後に加えるだけ。

おいしい仕組み(3)PWの作り方と既製品との違い

骨を使うスープ類は繊細な仕事で、従業員に頼むことができない料理。
いくら沸かしても構わない豚骨スープやフォンドヴォーとかであれば
ガス代の無駄で済むが、今日のような潮汁や中華料理の上湯などは
濁れば商品が台無しであり、時間がかかる仕事だけにやり直しも難しい。

フィリピンの人は仕事が雑、不器用と思うかもしれないが
手先は器用な人が多い、いくら働いても日給1100円で通勤が往復3時間とか
普通の環境で、やる気がないが雑な仕事の原因。

将来は作るものと考えるのは、客観的に見て不可能な環境で、時間から時間。
家族の生活のために自分の時間を売っていると考える人が多い。

年齢的に若く、扶養家族もない場合は、考え方を説くこともあるが、
大きく考え方を変えさせてまで従業員を育てたても、カトリックの国は
儒教の影響を受けた文化とは異なり、神が与えた物となり、
お歳暮をもって恩師の元を訪ねる国の文化とはだいぶ違う。

植民地支配の過去がある国が出身国の人は、感覚的に上手く立ち回る
人とも思わない感覚で仕事をしマネージメントシステムでがちがちに縛り、
そこのローカルの管理職レベルは自分の成果だけを優先し、
労働者は使い捨て。

私は長くフィリピンに住んだが、利害がない関係で付き合うフィリピン人は
いない、理解しあえていない。フィリピン人同士でも、華僑系の学校や
現地の有名私立でも卒業しない限りは、つながりを維持しているようには
見えない、家族という単位が本当に強い国なのだろう。

雑な仕事、見えなければいい、指定の作業を変えるは当たりまえで、
利益を十分に取り、ある程度の無駄に耐えることができる商売を選ばないと
フィリピンでは生き残り難い。

利益構造の悪い小売りサービス業であれば家業にとどめる。

直営で多店舗は完璧なフランチャイズシステムがないと不可能で
日本のように個人で数店舗とかは管理に費用がかかりすぎて
一括仕入れ、加工、配送のコストが捻出できる店舗数がないと
いつまでも手書きの不正領収書の発見にばかり考えが行ってしまう。

正直な話、フィリピンでの商売は面白くない。
性悪説で考えるシステムで、面白くを作り出すのは無理だろうと思う。

しかし、利益が取れていれば、まあ、続けていけばいいでしょ、となり
あえてやめる必要もないと思う。しかし、このコロナで考えが変わったのも
事実で、いつでも動ける状態まで身の回りを整理し、身軽になろうと
ブログを書く数か月の間にでも考えが大きく変わってきている。

フィリピンの従業員の思考は、神が与えた、赦した、が根底にあり
想像以上に厄介で、なんでも当たりまえと思っているように
日本人には見えてしまいます。

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