
もう、安い商売はやめた!
今ある店で十分だ。
この先は、よくできるスタッフ一人か二人で回す
高級店だな。
いわゆるC層という階層の人たちのが、ほんの少し前のフィリピンでは
たくさんお金を使っていた、ちゃんとした会社の社員が多いので、在宅勤務か
どこかへ引っ越したのか?理由はわからないが自宅の近所のフィリピン人が
減ったように感じる。
パンダやグラブの売り上げも死んだままで、店内飲食がいいかと言えば
別に良くない、マーケットがくたびれてきた感がある。
統計を見ているわけではないので、あくまでも私感だ。
まあ、2年も家で飯を食えば、自分で作ればいいや、となるだろう。
フィリピンではマーケティングの際にA、B、C、とかでお金を使える人の
階層を分けて考える、Aが現れる店はCの客単価の店の10倍とか普通。
材料費も人件費も光熱費も、上がる要素しかない今。
金持ち相手に細々と商売を回すが、しばらくは良いと考えがまとまった。
何の補助もないフィリピンの飲食業。
閉店しないで続けているオーナーさんは、どんだけ金持ちなのか?
縮小する市場に対しての閉店が異常に少ない、
縮小均衡が起きていない、だから家賃も下がらない。
予想とは全然違う動きで、自分一人だけが飲食業に将来がないと
サッサとやめてしまって、他のお店の方は賃料も下がらないのに
拡大に舵を切る人までいる、まあ、誰も将来はわからない。
では、話題を料理に戻していく。
今日のお題の帆立貝は冷凍が多く流通するので、季節感が感じられない。
寒くなると殻付きの生きた貝が売られることが多くなるが、旬は
他の貝と同様に春の物。
帆立に限らず、貝類や魚のバター焼きの場合は日本酒を使うと
生臭みが取れる。PB1:酒1:バター1と言う感じで。
ソースで材料に火を通して取り出すか、少量のバターでさっと焼いて
加えるかは好みだが、貝類は火を通しすぎると固くなる。
タレを煮詰め濃度が欲しい場合は、面倒でも材料を取り出して煮詰め
最後にタレに材料を戻す。
え!多くないというぐらいのバターの量がおいしいと思います。
さて、先ほどの続きで、商売を安く回す場合と、高く回す場合では
材料の状態は変える必要がある、たとえ生でなくても、
帆立貝であれば、殻付きでお客さんの前で割り調理する。
筍であれば皮を剥かずに客前で剥く、煮るにしても当座で
さっと割烹料理屋のように客前で煮つける。
食後であつても、デザートが餅のフルーツ大福なら、
白玉粉でお客さんごとに作り立ての餅を作り、目の前で大福にする。
それぐらいの演出と手間をかける、客数が捌けないし
技術がいるので大きな商売にできない。
しかし、今のような景気ではお客さんがいない、同じ支出を絞るでも
お金持ちの人は絞つても消費はできる、そのお客様をもてなすには
高付加価値で高単価に戻らざるをえない。
一方のわが祖国日本は、餅撒き政府の大盤振る舞いが2年も続いて、
フィリピンの飲食店経営者よりは国から受ける補助があるだけ良い。
ここフィリピンでは行政の対応は真逆で、最近のマカテイでも、
行政のわいろ目当ての締め付けも強くなり、レストランの強制閉鎖も見かける。
日本の支援制度とはまるで逆の行政の動き、特に外人には情け容赦がない。
フィリピンで事業の運営に支障が出るのはフィリピン労働省がらみ、
市役所の許認可、税務署の未払いの3種類。
従業員の逆恨みが、摘発の原因になるのが大半で、店の商品を盗み、
解雇され逆襲するが多くのパターン。
コロナで身銭を切りながら従業員の雇用を守るボスの考えは
理解できず、少し出勤を減らされ、その不足を泥棒で補う。
泥棒を泥棒として裁いたら、逆襲で行政からオーナーが捌かれる、
もう、フィリピンは懲り懲りだと思うだろう。
規模を縮小せよ!身軽になれ!商売の的を変えろ!と夢を見ることが多い
それだけ考えているのだろう、脳みそも同じようなことばかり考えるから
夜の間に、その情報を捨てるの忙しい。
では、高単価に低単価の技術の無い従業員が移動できるかと言うと、
無理!お客さんとの喋りも重要で、殻付きのホタテは年輪のような殻の模様で
何年物かを判断するとかの喋りネタも、スタッフにも教え直す必要がある。
業種も重要でカウンターで回し切れる寿司や鉄板焼き、天ぷら等の
投資額の低い高単価が可能な業種で、入り直す必要があり
多少の店舗への再投資が必要になる。
縮小均衡が起きないで、一気に商売をする環境が悪化して
まとめて倒れていくのだろうか?しばらくマニラの飲食業を
よく見ていきたいと思います。