
今日のお題はタマゴ料理のオムレツ。
フライパンのテフロン加工が主流となつた現代
まともに鉄のフライパンを使い切れない
フィリピンシェフが多い。
決して、フィリピンの人を馬鹿にしているわけではなく
日本人でも考えない人も多い、玉子料理は鍋の技術習得の基本として
洋食でも和食でも中華でも、仕事を始めた経験の少ない調理師の
最初の頃の練習となる。
そこでスタッフがなぜ、お題が玉子かと考えない、その奥にある、
たんぱく質が硬化する温度、鍋の材質による熱伝導の差、
温度が高すぎても焼き付き、低すぎても油が逃げて焼き付く、
材料の投入前の鍋の温度、動かさない時間、余熱の伝わり方と
感覚を身に着ける良い練習になる。
他にも、材料の置く場所と事前の準備等ので変わる作業の効率など、
考えることが好きな人は、やはり上達も早い。
フィリピンの人は職業にこだわりがない、お金を稼ぐ方法で
シェフでも給与が良ければ、他の業種に転職することは多い。
日本では、仮に寿司の道に進めば一通り仕事ができるようになると、
そこから中華料理に転向するという人は少ない。
しかしフィリピンではものすごく多い、私は和食だがスタッフで以前の仕事が
和食の人は、ほとんどいない。と言うか電気屋とかドライバーとかの他業種で
ある意味では器用な人達である。
考えないというのが、どれだけ彼らに損失を与えているか。
フライパンの準備をしてから、玉子を割る、調理を始めてから
バターを取りに行く、お前は事前に何も考えてないだろ!と言う仕事が
非常に多い。
仮に管理職まで出世していても、若いころにその考えがなく、
偶然、上の人が辞めてそのポジションが手に入ったようなタイプは、
玉子料理3品をスープとステーキを玉子料理の間に挟んで作ってくださいと
言うと面白いほど差が出る。
見せたいステーキのフランベ等のパフォーマンスばかりに気が回ってしまう人、
最悪のタイプの人は、さっさと調理してしまい、保温器に入れる事を
許可なく行う人、これは大きなホテル等の従業員だった人が行いやすい。
料理なので正解はない、精密加工のネジのように、これという正解がない。
対面での調理であれば個人芸なので、人柄とその奥にある気遣いが重要で
試食の際に、わざと箸を床に落とすと、彼はどう動くか?
仮に今日の試食にふさわしい演出と共に、玉子料理3品と他の2品の
演出をしてくださいと言わなくても、できる人はできる。
説明しても、料理バカはその意味が分からない、作業で満足してしまい
さっさと自分の道具の後かたずけをして、まさにバカのように
その場に立っている。
では料理バカは素晴らしい料理を作るかと言うと、それも人それぞれ。
前菜の玉子料理は、当然すぐに出せるものを考えるだろう。
次にステーキを出しても来ないだろう?
前菜玉子1、スープ料理、玉子料理2、ステーキ、玉子料理3となるだろう。
玉子料理3は、指示が泣けらば食事と絡む玉子料理と考えるのが普通だと思う。
今日の試食にふさわしい演出と共に、玉子料理3品と他の2品がお題である
仮に、どう料理を出されても、その人のふさわしい演出で間違いではない。
だが、その差が大きな将来の差を生むので、人選には余裕があれば
時間をかけて選びたい。
ホテルの場合では会社にもよるが、宴会用の小厨房を与えて、試食開始の
時間を伝えて、ホテル内を好きなように使わせて、自分で材料を集め、
調理をして、器を選んで時間内に準備することもあるし、事前にメニューと
必要な材料の発注書を提出させることがほとんど。
ホテル側から案内人を充ててくれるので、どこに何があるかは
案内してもらえるので、何の不自由もない。
試食時にはテーブルの傍らに立ち、料理の説明をして軽い面接のような話で
終わるが、現地採用でない場合となると、その費用は大きい。
それにコロナで、オンラインばかりが採用の方法になり
当たりか外れかの博打となる場合が多いが、ここフィリピンでは
6か月前に試用期間後に雇用しないと言えるので
また探せばいいと、気楽に考える会社もある。
では、今日のお題の料理オムレツ。
生クリームではなく鰹ダシでのばしたオムレツ地を、多めのバターで
ふんわりとオムレツにする。卵の配合は出汁巻玉子なので
バターを使わなければ、形の違う出汁巻玉子である。
玉子L3個で白組6gと出汁50gですので結構固めで作りやすい
と思います、オムレツ作りが上手な人はダシと白組を増やすと
ふわふわのオムレツになります。
作り方を文章で上手く書くのは難しいが、玉子3個分と出汁約250gの熱を奪い
鍋の表面にの膜が切れないように、外側の層を早く硬化させる。
火力が強ければ焦げ目がついてしまい、温度が低ければ鍋に焼き付く。
家庭ではテフロン加工ではないフライパンの方が少ないので
あまり失敗の記憶がないかもしれない。
料理を作るときに、考えることが楽しい人は料理上手となり、
逆に面倒に考える人は反対の結果になるが、コロナのおかけで
料理をする人が増えたのは事実。
仕事が忙しい人には、やはり料理は面倒ですね。