が、

マニラで多国籍料理、よく呼ばれる名前では、フュージョン。
フィリピンだと和食が絡んでいることが多いが、
絡むメニューは和食ではない。
カリフォルニア巻は和食ではない、たこ焼きも和食とは言いにくい。
日本の物だが、日本料理という範囲ではない。
会席料理を売りたい日本の会社に働く私だが、吸物とか煮物とか
売れると思っていない。フィリピンで和食で売れるものは決まっており、
海老天ぷら、サーモン刺身、カルフォルニア巻、この3種が無いと始まらない。
妥協せずに本物だけで行く姿勢が試されたが、結局はメニューに組んでしまい
普通にフィリピンの和食店となった。
では、売れればいいのだから看板を変える必要がある。
ブランドで展開する場合は、お客様は日本の本店の商品を期待している
日本と同じ屋号で内容は別では、全体の信用を落としてしまう。
今日のお題の大根の煮物だが、フィリピンで売ろうと思えば
冷やし煮であろうが、含め煮であろうがローカルには売れない。
売ろうと思えば鉄板焼きがあれば、大根ステーキとして売るとか
無くても、大根の揚げ出しで売るとか、ローカルに響く調理法に変える。
しかし、我慢して日本を貫けば必ず顧客は付く、8割が日本人で
フィリピンに住む外人いて、5%ほどがフィリピンの金持ちと言う割合になる。
当然だが日本食は日本人が好む味である、それをフィリピン人のお客様に
浸透させるのは、多くの時間を必要とする。
当座の売り上げを立てるのであれば、数は減ったとはいえフィリピンに住む
日本人の方に営業先を集中して、日本人営業スタッフが進出している
日系企業に重点的に営業する方が効果的と思うが、どこもフィリピン人
営業が中心での営業で日本語を流暢に話すわけでなく、
ターゲットには営業できない。
悲しいが自分の仕事場は、コロナを言い訳にしただけで、
街の日本人顧客中心の店は、規模は小さくとも、コロナであろうとも、
空輸の日本食材で日本を貫いている。
入社時の話では野菜も含め日本からの輸入で対応すると説明されたが
完全にローカルの食材を仕入れている。本来決めた方向であれば
なぜ、エアカーゴが仕入れに組み込まれていなかったかと思う。
野菜はカーゴで運ぶとなるとコストが高いので輸入業者と交渉が必要で
開業前にそれがなぜ準備されなかったのかと思う。
会社員であるので言われたとおりにやるが重要で、これは個人的に
思う事であるので、文句ではなく、残念と言う思いが強い。
野菜が日本でなければ調理師が日本だぞと!その差別化で売る、
会席では顔が見えないので寿司とか顔が見える仕事で、
空輸の日本物だけで高くても売る。
マカテイの路面店で7000ペソが最低のお任せ寿司の店がいつも満席なのに、
日本のブランド店が寿司カウンターを物置にしてお客さんを入れないのも
私的には納得がいかない、本物を貫く意思がないと思える。
要はブランドを扱うルールが存在していないことが問題で、マニュアルが
存在していないことが大きな原因であると思う。
それなら、売れるように売れるものに集中して売るとなる、街の店の
商品を差別化して高単価で狙っていく方が楽で新規で市場を作る時間も
必要がないのだから、明日からでもできる。
綺麗な内装で高級な食器、フィリピン人だが着物を着たウエイトレスが
配膳してくれる、それだけでも差別化だろうと思う。
サービスのスタッフは比較的簡単に組み換えが効く。
調理師に関しては、コロナで売り上げが立たないという理由で、
ローカルの調理師をどの店も解雇しすぎており、やり直しが難しい状況。
調理師はいつでも雇用できるが組織としてまとめるまでに、
古参の従業員と新たに雇用された従業員で分裂が起こる。
結局は新規で作り直すよりも難しくなり、新たな離職者が出て
上手く回らない場合が多く、メニューの組み換えどころではなくなる。
多くの個人店が我慢している中で、新たに雇用しやすい大手の会社では
あまりに簡単に人を手放してしまい、品質が保てないところまで
スタッフが足りないという状態。
それに加え、海外の求人が戻り、今までの収入不足を補うために、
フィリピンで働いていたスタッフまでもが、海外に職を求めて出て行ってしまう。
自分の仕事場も、他の職場の話を聞いても、今からの立て直しが必要と言う
話が多いが、いいスタッフがいない。昔のように簡単にスキルテスト等ができないので
博打のような求人が続く。
最低限守らないといけないところを超えて人減らしをして
辞めてはいけない管理職も嫌気がさして離職。
これでは続かない。
こうなると厳しい、私もそろそろ失礼する時期かもしれない。
話を料理に戻しますが、大根の煮物、特に分厚い大根は考えないと
調理が難しい、下茹でして調味液で煮る、そして冷まして
大根の内部に調味液が浸透する。
野菜は98℃とか高温で調理しないと柔らかくならない、
要は100℃のお湯でグラグラと茹でる、しかし、調味液は
グラグラと煮立てると醤油が変色して黒く煮物が仕上がる。
煮物は煮込む事で味が染みる事より、冷めるときに内側へ戻ろうとする
力が働き調味液が入る、時間の経過で浸透圧でも味が入る、
そのままの味が入ればよいのであれば煮込む必要もない。
しかし料理はそう簡単ではなく、醤油や味醂の焼けた臭いも味の構成に必要な
場合もあり、魚のあら煮とか里芋の煮っころがしなどは
また、別の考えが必要で濃度計などが役に立つ。
大根を煮る場合、あらかじめ火を通さずに直接調味液で煮るのは
苦みの多い味に仕上がるが、苦みも味のうちと考えるか
水にさらして、その後含め煮にするかは好みの問題。
生の大根を揚げたから煮ればオランダ煮、鰹節と煮れば土佐煮
上で書いたように煮含める、煮っ転がして艶やかな艶煮と
名前は変わるが大根の煮物には変わりはない。
含め煮の場合は、出汁10:PW1程度の薄味で
煮っ転がしのような味は少し甘めで、出汁5:PB1:砂糖0.2
塩と砂糖と酒、みりんで仕上げると色は白くなるが、味的には
少し物足りなく感じます、その場合は多めの酒と鰹節を
追加してください。