料理は結構、決まり事が多い。
砂糖の材料に対する味が入りやすくなる効果。醤油や味醂のように食材を硬化させる効果など、いろんな決まりがあり、銅板や銅鍋の銅イオンで材料の色を取り戻すとか。アルカリによる材料の軟化など。
真空にして撹拌して大気圧に戻す事で下味を短時間で終わせ、冷凍ラインにすぐに送るような時間短縮の工夫。
酢の添加による保存性の向上。乾燥による水分活性の低下で保存する。
121℃ 4分これだと密封されていていれば内部は無菌、いわゆるレトルト加工。試作用の小型の釜はフィリピンでまだ見たことがない。
上で書いたような食品の保存、保存期間の延長は大きな要望であり地元企業が求めている事が多い。日本の基本がフィリピンでは不足していることが多く、日本人が海外で働くという点で、少なくともフィリピンではそれほど実務の経験がなくても外人枠で仕事があることが多い。
熱による変色、味の変化。逆に変化を利用する事もあるが、規模が大きいと着色料や香料に頼ることになる。
上に書いたような事は確かに重要。全ての工程をマニュアルに落とし込んで連続した作業にする、上で書いたような事は感覚で行う事が多いが、5kgと500kgのように加工時の量によっても作業時間が同じでは味は異なる、これはマニュアル命のフィリピンでは重要。
今日のお題のような事は、店舗での問題ではない。


現場での展開は私のような開発のスタッフとトレーニング専門の部分が行うが、マニラ首都圏にほとんどの店が展開しているので、ワークショップ形式で商品毎に終わらせて行くだけ。
現場ではラインのスタッフがいかに計量器具を適切に使い、ミスなく素早くだけが問題で決まった使用期限通りに使用して、残れば廃棄する。当然、廃棄は厳しく管理され書式に書いてから廃棄するが、各店の管理職のインセンティブに影響する、だから皆真面目に取り組む。
書いている事がバラバラになっているが、書きたかった事は料理でも、店舗の内装でもパーツ毎に分けて仕組みを作る。たとえば、料理で、ざるそばの返しが必要とする。
普通に考えれば専用のソースを作るだけだが、その商品の会議でそれが却下されれば、その場で終わってしまう。
何種類も業態を持つ会社の幹部は繰り返し、そばの汁ばかり試食している暇はない。その場ですぐに組み替えて、再提案して配合比を伝え意見を言える状態を作る。
冷たい蕎麦は温かい蕎麦の返しとは違う。通常の返し、照り焼きのタレ、砂糖が多く色が濃い焼鳥のタレ。例えばだが配合比を1:0.2:0.1を返し、割る出汁は濃縮1:水3とする。
ブラインドで試食をするので甘みが足りない、鰹の風味が弱いとかコメントが出る、そこで次は、配合比を提示して調整後の汁をすぐに提案する、また、コメントが出て再提案、組み換えをその場で行えば、ほとんどの提案は当日で終わる。
これでもう一度プレゼンテーションを組まれるのを防ぐ、お互いに同じことに時間はさきたくない。
今日の訪問先もスープの濃度のBlixを測りマニュアル化するのだが、脂分が水に乳化しているスープは支店配送時には冷凍されれおり、解凍時は乳化が解けて水と脂に分離して味が変わる。
ラーメンのスープやフォンドボーなど、骨にゼラチンが多い場合、12時間程度、骨を炊くと水に骨のゼラチンが溶け出す。
ゼラチンは次にスープ鍋の上部に浮く脂を水と繋いでいく。
最初の数時間で鍋の表面に大量の脂が浮き出す、それが骨のゼラチンが水に溶け切ったあとに表目の脂が減り始める、これがスープの乳化で美味しいラーメンのための作業。
マヨネーズのような濃度があれば乳化が維持できるがスープでは無理。
本当のとんこつラーメンではセントラルキッチンで加工するのは困難、フィリピンで人気のある合わせ系のスープは豚骨以外で鶏、野菜、カツオ系を別に作り配合比を試食会議で決めてから試作に移る。
さすがに自働充填機までは見かけないが、どの飲食グループでも最低で500kg程度が最低の加工量。
それでも多くのオーナーさんは簡単に変更を繰り返す、それであれば、はじめから分解と組み立てが簡単なように作る。
日本で出来ているから、フィリピンでもできる。
それは現場のスタッフが創意工夫を止められているフィリピンでは不可能。
まあ、創意工夫なんて認めたら、どうなるか?ここはフィリピンですから。
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