
マグロのステーキ
表面だけの加熱で中は火の通った生が良い。
マグロ料理はフィリピンでは安い、
ここフィリピンでは、ミンダナオ島のマグロとジエネラルサントスの
漁港が有名だが、島国なので漁港は多くある。
しかし、大型の商業漁船が入れる規模となると
各地方に一つか二つ程度で、マニラだとナボタスとなる。
日本と比較すると悲惨な設備で、ここが漁港か?と絶句する施設が多く、
ODA頼みの改修待ちが多い。漁港とかのインフラは世界の食料調達などの
考えが働き、外国からの援助で港湾整備や冷凍設備が整備されると想像する。
まあ、金がないから大きなインフラは無償か有償のODAばかりが
フィリピンのインフラ整備の方法となってしまう。
そして役人がしっかりともうける仕組みは、評価の高かったドテルテ政権でも
変わることはなく、マルコスをドテルテが押せば、次も既得権者のための
既得権者による6年が始まる。
今日のお題のマグロに関してはジエネラルサントスが断トツの立地で
漁場に直行して帰れる位置、当然、それに関連した缶詰、冷凍加工、空輸、
などの関連する商売がひしめき合い、ツナの首都と言われる。
延縄は莫大な予算が必要で、巻き網は魚がボロボロになる。
ここフィリピンでも一本釣りが生食用のマグロの漁法が中心。
母船式漁業もあるが、今日のような、半生のステーキや刺身用のマグロは
マニラの近くで水揚げされたマグロが材料になる。
表題の写真はステーキらしくない写真だが、大根おろしとポン酢と
テリヤキソースとバターの配合。
ポン酢醤油2:テリヤキソース1:バター1をとろみが付く程度まで煮詰める
このソースが使い勝手がよく、私は多くの仕事場に勧めてきた。
おいしい仕組み(6)テリヤキソースの作り方と風味付けで変わる用途
肉でも魚でも使い勝手が良い、作るときにバターの手助けでソースを乳化させる
ために、スプーン等で撹拌し続けて煮詰めると良い。
肉や赤身の魚は、時間が経つと全体が茶色っぽくなります。
マグロ、牛肉などは血液のミオグロビンの鉄分が酸化により
段々と茶褐色に変化してしまいます。
肉質の色の褐色化を。メト化といいますが、温度の条件によって
変化のスピードが大きくかわり、冷凍であっても家庭用のフリーザーの
温度帯の-18℃程度ではメト化の進行を抑えることができないので、
マイナス60℃とかの極端に冷たい冷凍庫で保存しなければいけない
電気代の高いフィリピンではこれが問題。
カツオやマグロの赤色の保持には0℃がメト化の進行が一番遅く
冷凍してもマイナス6℃ぐらいの中途半端な温度だと0度の倍以上の
速さでメト化てしてしまいますし、0℃以上になれば変色のスピードが上がり
10℃の時は4倍もの速さでメト化が進行してしまいます。
家庭用の冷蔵庫では買い物帰りに、一度に物を納めてしまうと、10℃程度の
温度が長く保たれてしまい、変色が進んでしまう、氷の枕で包んであげる
などの変色防止は、マグロの刺身の場合は重要になります。
メト化は別に体には問題ないのですが、茶色いマグロの刺身は気持ち悪い。
スーパーなどから持ち帰る時なども一緒に買った冷凍食品で挟んで帰る、
などの工夫だけでもだいぶ違います。
さて、ステーキですが、刺身用のマグロを3cm程度の厚さ切り
塩コショウを振って、ニンニクをスライスにしてフライパンに油をひき
ニンニクのスライスを入れて弱火でニンニクがきつね色になるまで加熱し、
ニンニクを取り出して置いておく。
ガーリックオイルができたフライパンで表面を強火で焼く、
中がまだ生の状態に焼き上げ、温かい場所で10分ほど置き
食べるときに表面をもう一度焼きあげる。
面倒であればその時にバターとポン酢とテリヤキソースで絡めてしまう、
その時はマグロに火が通りすぎないように、途中で取り出す。
赤身の魚は火を通すと不味い、その点だけ集中して調理する。
55℃程度の火の通った生、これが赤身魚や牛肉のおいしい
食べ方だ思います。